みなさんは子どもの頃、何をして遊んでいただろうか? かくれんぼ、缶けり、そしてヒーローごっこなど、子どもの時の遊びは数え切れないほどあるだろう。しかし今、パキスタンの子どもたちは私たちの幼少時代からは想像のつかない遊びをしており、その様子を撮影したビデオがネットで話題を呼んでいる。
その遊びとは、タリバンの自爆テロをマネしたもので、パキスタンに住むパシュトゥーン人の子どもたちによってその遊びは行われた。そして、その様子を撮影したビデオがFacebookやYoutubeに投稿されると、「この子たちはどういった思いでこんな遊びをしているの?」や「こんな遊び、なんら変わったことじゃないよ」など様々な意見が世界から寄せられた。
その話題のビデオは、テロリストに扮した黒ずくめの子どもが家族、友達役の子どもたちに抱擁されるところから始まる。テロリスト役の子が家族や友達に別れを告げ、いざ行動に出ようとすると、白い服を着た治安部隊役の子に止められる。しかしその制止を押し切って、テロリスト役の子は自爆テロを決行。(周りにいた子どもたちが、宙に砂を投げることで爆発の瞬間が再現されている)するとそこには、自爆テロによって死んだ民衆役の子どもたちが横たわっており、その安否を他の子どもたちが確かめるというところでこのビデオは終わる。
これを見た「Save the Children UK 」という児童保護団体のサルマ・ジャファルさんは、「これは恐ろしく、また私たちに警鐘を鳴らすものです。この子どもたちはテロリストを非難するというより、むしろテロリストに魅了されています。今子どもたちが暴力を美化すれば、彼らは後にテロリストの一員になり得るでしょう」と述べ、この遊びが更なるテロリズムを予期していると訴えかけた。
しかしその一方で、パキスタンのコメンテーターであるファシ・ザカさんは、今回のビデオは今まで見た中で最もよく撮れたアマチュアビデオだと賞賛した上で、「これは心かき乱すものでありますが、それと同時に創造力あふれる洗練された作品でもあります。すべてシーンをワンショットで撮っていますしね。彼らは日常で目にするものを再現しているんですよ」と述べた。
今回のビデオが意味するものは何なのだろう。子どもたちはテロリストに憧れていたのだろうか? それともテロリストを馬鹿にして、あんな遊びをしたのだろうか? その思いは本人たちに聞いてみないと分からない。しかし、ひとつだけ確かなことがある。それは自爆テロが彼らにとって日常茶飯事な出来事であり、そしてそれに伴う人の死がごく身近なものになっているということだ。そういった悲しい現実を私たちに伝えてくれただけでも、このビデオが持つ価値は大きいように思える。
(文=田代大一朗)
参照元:DailyMail(英文)
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オリジナル記事: これは何を意味する? 自爆テロのマネをして遊ぶパキスタンの子どもたち
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